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CMOがSEOについて知っておくべき7つのこと

CMOやシニアレベルのマーケターも、あらゆるオムニチャネルマーケティング戦略を成功させる上でオーガニック検索領域は不可欠なピースであることを認識するようになってきました。特にSEOが収益にもたらすインパクトが認知されてきたことがこの背景にあります。

例えばWolfgang Digitalによる最新のKPIレポートによると、有料検索広告やオーガニック検索は「サイトトラフィック全体の実に65%を占め、ラストクリック型のサイト収益全体の67%を占める」ようです。

一方で、Episerverによる最新のKPIレポートによると、有料検索広告やオーガニック検索は「サイトトラフィック全体の実に65%を占め、ラストクリック型のサイト収益全体の67%を占める」ようです。

しかしながら、単純化してしまうことは簡単ですが、SEO施策のインパクトは業界や地域によって異なるのも事実です。各ファネルで消費者の利用するデバイスや様々な属性のグループ毎のユーザー行動傾向を深堀りしていくと、デジタル戦略全体におけるSEOのウェイトは再び変わることがあります。

マーケターは、あるブランドに対して効果のあった手法が、同様に他のブランドに対してもランキング向上の効果があるとは限らないことを認識しなければなりません。そして周知の通り、Googleのアルゴリズムは常に進化しており、同様に競合他社の能力も変化しているのです。

それでは、CMOがSEOについて知っておくべき7つの重要な事実とはどういったものでしょうか?
 

 

1.結果が出るまでには時間を要すること

長期的なコンテンツ戦略によりサイトのオーソリティを構築する場合でも、SEO施策を施した新しいサイトをGoogleがクロールするのを待つ場合でも、検索エンジン がこれらの新しいコンテンツや修正内容を検出、解析、そしてインデックスするには時間がかかります。

ランキングの改善が結果として現れるようになるには数ヶ月または数年かかることもあります。こうした時間のラグは実際に行った変更点がランキング改善に寄与したか計測する際の障壁となります。

CMOが持つべきマインドセットとしては、SEOは長期的な戦略であると認識することに尽きます。特に何年もSEOが手つかずになっていて、ようやく施策を打ち始め、技術的健全性やコンテンツの質を確保するのに苦労しているようなサイトにおけるSEOを考える場合には、この考えは必須と言えます。
 

 

2.SEOは継続的な施策であること

すでに耳にしたことがあるかもしれませんが、SEOは ”一度で完結する” 手法ではなく、むしろ継続的な最適化とモニタリングを要するものです。

適切に最適化されているサイトでさえも、常に洗練され続けるGoogleのアルゴリズム、季節的要因やグローバルな事象の要因によるユーザーの需要の変動、また競合他社の戦略の改善などにより、将来的には既存のSEO施策の陳腐化やオーガニックトラフィックの減少を経験する可能性があります。

これらの変動要因はオーガニック領域において進化し続けており、競合他社も同じ環境下にあることを考えると、ユーザー需要に合致したコンテンツやUXを先を見据えて提供し続けることだけが長期的には最適解となります。
 

 

3.検索領域は常に進化し続けていること

SEOを取り巻く環境は絶え間なく変化を続けており、時にその変化は予測不可能となります。

Googleのアルゴリズムアップデートによっては大きくランキングを落とすことになることもあれば、別のアップデートではその恩恵を受けることもあります。CMOとしては受動的な意思決定ではなく、長期的トレンドを踏まえた意思決定を行いたいものです。全体的な傾向として堅調に推移していれば、SEO施策が機能していると捉えて良いでしょう。

もちろん、全ての変化がアルゴリズムアップデートに起因するわけではありません。 例えばユーザーの需要は季節的な要因からグローバルなパンデミックまであらゆる要因によって変動します。

スマートフォンや音声検索など、新しいデバイスやテクノロジーによるユーザーの環境変化があると、それに合わせてユーザー行動も変わります。一定のプレゼンスを発揮している企業のSEOへのさらなる投資や革新的な企業の市場参入など、競合他社の動きも自社サイトの検索結果に影響します。
 

 

4.SEOは他のマーケティング手法に良い影響を与えること

SEOは自社のあらゆるデジタルマーケティング手法に影響を与えます。

SEOの観点でのサイトデザインの改善は、SEO以外のソースから流入したユーザーのユーザー体験も改善することになります。Googleはサイトへの流入経路にかかわらず、実際のユーザーと全く同じユーザー体験を評価するような独自の手法や指標を持っています。

同様に、SEOやコンテンツマーケティングの目的で行われたキーワード調査により、ビジネス全体の(ユーザーへの)メッセージの打ち出し方の参考にでき、ユーザーの意図を把握しやすくなり、そして有料広告のようなSEO以外の領域でのターゲットキーワード選定に役立ちます。
 

 

5.最も重要な指標にフォーカスすること

SEOがROIを計測するために使う指標はたくさんあります。コンバージョン、トラフィック、収益、平均単価など量的に評価できる指標もあれば、ブランドや商品の認知度やビジビリティなど目に見えない質的な指標もあります。

全て価値のあるものではありますが、それぞれを有用性という観点で見ると優劣があります。

例えば、トラフィックは内実を伴わない指標であると捉えられています。確かにサイトへの訪問者が増えるのは喜ばしいことですが、彼らのコンテンツへのエンゲージメントが乏しく購入に至らないとしたら、これらユーザーにはどのような価値があると言えるでしょうか?それよりも、オーガニック検索からのコンバージョン率、直帰率、サイト滞在時間などの指標を追った方が有益と言えるでしょう。

他にもユーザーをセグメント別に分けて捉える指標は非常に有効です。例えば、オーガニック検索からの新規ユーザーと再訪ユーザーを比較し、それぞれのグループでどのページが最も人気を集めているか確認することで、オーディエンスのセグメント別にSEOにおけるキーワード戦略の注力部分を絞り込むことができます。

検索ボリュームや競合性のような指標は、各サイトの成功やコンバージョン数に直接的に寄与しないため、これらにフォーカスして時間をかけすぎるのは良くありません。

むしろ、アクティブにサイトへの訪問者数を増やしているキーワードに注目する方が、コンテンツを特定のユーザーの意図にターゲティングさせる上で役立つと言えます。ニッチでロングテールのキーフレーズを使ったほうが、検索ボリュームと競合性が上がらなくても、全体としてより多くのコンバージョンにつながる可能性があることは知っておいて損はありません。
 

 

6.良いSEO施策とは必ずしもグロースと規模の拡大ではないということ

デジタルマーケティングの多くはグロースと規模の拡大に焦点を当てています。

とりわけ競争の激しい業界における検索領域では、より広範なキーワードに対して自社のランキングを上げていく ”ヨコ” の施策よりも、”タテ” にビジビリティとオーソリティの水準を維持していくということの方が、良いSEO施策となります。

経験豊富なマーケターたちが、SEO施策はサイトへのトラフィック増加率で計測するのが最適であると考えているケースが非常に多いです。しかし、前述の通りですが、競合性の低いキーフレーズによる高いコンバージョン率を犠牲にしてまでもトラフィックを増加させようとすることは、時間とお金の最適な使い方とは言えません。この手法は結果としてROIをマイナスにしてしまう可能性があるからです。

すでにGoogleで一定のプレゼンスを発揮しているサイトについて言えば、メンテナンスや日々のトラフィック損失の回避施策が同様に重要(もしかするとより重要)であり、一般的かつ継続的な施策やモニタリングや必要となります。
 

 

7.SEOに関する多くの誤解をCMOが認識すること

検索エンジンにおけるビジビリティは重要です。しかし、他のマーケティングチャネルとの比較においてそれがもたらす価値は、業界やエンゲージを高めようとしている顧客、そしてニッチ領域における競合他社により大きく異なります。

検索領域では、あるブランドに対して効果のあった施策が、他社に対しても必ず効果があるという法則はありません。そして、施策が実行されたあと、SEO担当者がすぐに短期的な結果を期待することはほとんどありません。

長期的なベストプラクティスがすべて

Googleが常にアルゴリズムを変更したり、競合他社や新しい技術がマーケット環境を大幅に変えたりするような、常に変わり続ける環境においてランキングを維持・改善していこうと思うと、SEO施策の実行やそのモニタリングを継続的に行っていく必要があります。

Googleアナリティクスは良いSEOの中核となるものです。捉えどころのない指標を超えたデータの解釈が鍵であり、ユーザー行動にフォーカスすることが非常に重要です。

つまりこれは、キーワードに対する1位表示を獲得することが、必ずしもそのサイトが最もレベルが高くSEOが万全であることを意味するわけではないということです。

CMOは、「特定のキーフレーズのコンバージョン率はどうか?」、「新規ユーザーなのか、再訪ユーザーなのか?」、「その発注は価値が高いものか、低いものか?」、「ユーザーのセグメント毎の平均単価やサイト上のエンゲージメントを示す行動指標は?」といった質問を常に問い続けなければなりません。

これらの質問の根底にあるものを探ることは、ランキングが急上昇した際の表面的なトラフィックの推移を追うよりも、はるかに価値が高く、より多くの洞察を与えてくれることでしょう。
 

 

最後に

この記事でおそらく最も重要な教訓は、SEOがそれ単体では成立しないものであると改めて認識することでしょう。SEOは他のデジタルマーケティング戦略と合わさって、はじめて最高のパフォーマンスを発揮します。

消費者はマーケティング・チャネルにおいてさらなる一貫性や、価値ある本物のユーザー体験を求めています。最高のサーチマーケティングは複数チャネルにおける戦略、そして究極的にはGoogleではなくユーザーを優先した施策と合わせて実行すべきなのです。