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ウェビナーまとめ:Nick Wilsdonと効果的かつ計測可能なダッシュボードを使ってエンタープライズSEOを管理する

今回のウェビナーではVodafone社のサーチプロダクトオーナーでありDeepCrawl社カスタマーアドバイザリー委員会のメンバーでもあるNick Wilsdon氏に参加いただき、エンタープライズ規模の会社内で効果的に管理画面を利用する方法について学びました。

ウェビナーまとめ:Nick Wilsdonと効果的かつ計測可能なダッシュボードを使ってエンタープライズSEOを管理する

今回のウェビナーではVodafone社のサーチプロダクトオーナーでありDeepCrawl社カスタマーアドバイザリー委員会のメンバーでもあるNick Wilsdon氏に参加いただき、エンタープライズ規模の会社内で効果的に管理画面を利用する方法について学びました。

当ウェビナーの全容は以下の動画をご覧ください:

 

エンタープライズ規模の組織が抱える主な問題

Nick氏はVodafone社で非常に戦略的な役割を担っており、22のマーケットで検索領域の管理をしています。こうした環境で働く中でNick氏は、以下のような大規模組織が直面する5つの主要な課題を見出したと述べています。

  1. SEOチーム、チームリーダー、上層部含めた、様々な階層の利害関係者へのレポーティングが必要になること。
  2. 事業をグローバルに展開している場合にはそれぞれの国の間での標準化が課題となること。結果として、各マーケットの事業単位で指標、社内構成、スタック、EC環境などが異なるため、別々の組織としてみなしたほうが良い。
  3. 組織の大きさに対応するため、できる限りプロセスが自動化されている方が良いこと。
  4. エンタープライズ規模だと高額となることの多いツール利用に関して、できる限り予算を効率的に使うこと。
  5. 小規模組織に比べてアナリティクスやデータ関連チームの負担がかなり増えるため、レポーティングのための時間を捻出したり知識を付けていくことが難しいこと。

 

Vodafone社はどうやってこうした課題を解決したか

Nick氏はGoogleデータスタジオを使ったダッシュボードを構築することで、レポーティングに関する上記のような課題を克服するための方法を検討し始めました。

これらのダッシュボードを構築するため、Nick氏は他のツールからのデータパイプラインを使って、Googleデータスタジオのような可視化ツールにデータを反映しました。

data pipelining

GoogleデータスタジオはGoogleサーチコンソールやGoogleアナリティクスといったデータリポジトリに保持されているデータを取得し、コネクタを使ってデータを抽出した上で、これらのデータソースからレポートを作成するための要素を作成するためのツールです。

Google Data Studio process

 

Googleサーチコンソールから始める

SEOのダッシュボードに着手する際、Nick氏はGoogleサーチコンソールから始めることを推奨しています。これは、このツールが無料であり、比較的ネイティブのUIが少ないこと、また最近になってドメインプロパティ管理機能を新しく導入したためです。

Gooogleサーチコンソールのデータをカスタマイズしたデータスタジオのダッシュボードで可視化する方法(英語)によると、以下のような点についてレポートを取得できます。

  • オーガニックトラフィック動向の概要
  • パフォーマンスの高いページと検索クエリ
  • クリック、インプレッション、CTRなどの増減
  • ブランドワード検索と非ブランドワード検索トレンドのパフォーマンス
  • ディレクトリ単位のパフォーマンス
  • 検索結果でFraggle(ページの特定の箇所へジャンプするもの)としてリンクされているページのパフォーマンス
GSC dashboard

サーチコンソールのデータの可視化を始めら、次にNick氏はSEOmonitorなど他のデータソースをどう連携させていくかについて考えることを推奨しています。

 

レポートの構成と戦略

ダッシュボードの作成は、視覚的に美しいグラフを作ることが重要なのではなく、それが広範囲で活用できるように戦略的に進めることが必要となります。

Vodafone社のデータスタジオを使ったレポートは以下4つのセクションにて構成されています。

  1. パフォーマンス
  2. プランニング
  3. コントロール
  4. アクション

これらのカテゴリが誰向けなのかを示すアイコンが使われており、それぞれの利害関係者が自分に関係のある指標を見ていると理解できるような形式となっています。

さらにダッシュボードには様々なレポート間のナビゲーションをしてくれるリンクが付いており、この機能がデータスタジオを小さなアプリのようなものにしています。

Vodafone areas of reporting

パフォーマンス

Vodafone社ダッシュボードのパフォーマンス部分は、内部レポートを経営判断に活用する目的を持つ経営層向けとなっており、以下のような指標にフォーカスしています。

Vodafone Performance reporting

プランニング

Voderfone社ダッシュボードのプランニング部分はチームリーダー向けであり、以下の点にフォーカスしています。

Vodafone Planning reporting

コントロール

コントロール部分は戦略的観点から重要です。これは、SEOチームとしては知っておくべきだが、他のチームには共有すべきではない指標を含むためです。例えば順位やGoogleのインプレッションなどの指標は、誤って解釈されてしまう可能性があるため、SEOチーム以外のメンバーには共有しないほうが良いと言えます。

Vodafone Control reporting

アクション

この部分も技術サイド向けであり、クロールデータやサイトのエラーといったデータソースからのアウトプットを示す指標を扱います。Vodafone社ダッシュボードのアクション部分は、特定のSEO課題に対処するためのデータを取得する目的に使われます。

Vodafone Action reporting

アクションレポートは、ページスピードの最適化といった、さまざまなSEO施策へのリンクを表示します。そのリンクは、EXCELにダウンロードしてさらなる分析に使用できるチャートやグラフを表示します。

Vodafone Action reporting example

 

エンタープライズが抱える主な課題を克服する

エンタープライズクライアントが直面する5つの主要な課題を再考することで、Nick氏はどのようにして自分とVodafoneチームがこれらの問題を解決したか説明しました。

  • 共通のレポート構造が鍵となります。経営層はどのレポートを見るべきか分かると喜びますし、一歩先を行く組織では各チームが関連する指標に関する明確な理解を持っています。
  • マーケットやチームが違えば、使用するツールが異なるとはよくあることですが、社内向けツールを使うようにすると標準化と統一性を確保することができます。
  • 現在、自動化を加速化するプロセスがあり、これはとても重要です。
  • データファーストのアプローチを取ることでコストを削減でき、処理能力を上げることもできます。Nick氏はUIよりもツールのAPIに興味を持っています。重要なのはインターフェイスではなくデータであり、少なくともAPIを活用することでコストを削減できます。
  • コミュニティードリブンな分析やマッシュアップを活用することでVodafone社の分析チームやデータチームに必要な時間を大幅に削減することに成功しました。

 

次のステップは?

Nick氏が自動化プロセスをとり、ダッシュボード作成にも成功している中で、次のレベルに進みたいと思っています。

  • そのグループと運営会社との間の関係性を構築すること。SEOは企業を取り巻く環境の中でデータ連携の良い事例となっており、Nick氏はこの動きをVodafone社内でもっと拡大したいと思っている。
  • 訪問者数、訪問当たりのコスト、内部検索、Google広告関連データなどをチーム間で共有するにあたり、データの移動しやすさを改善すること。
  • Googleの自然言語処理のような、Googleのクラウドツールを使ってより発展したデータ処理を行うこと。

 

Nick氏からより多くのことを学ぶ

ウェビナー参加者から、Nick氏が時間内にすべて答えることのできなかったたくさんの質問が寄せられました。これをNick氏に渡して、O&A方式で答えてもらうようにします。もしこの反映が待てない場合には、SEOレポートを自動化する弊社のガイドにて、ダッシュボードとGoogleデータスタジオについての詳細を確認してください。